11.24.03:58
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10.15.05:00
草色表紙の帳面
一族手記。
日記風に一人称で書いてみようかと想ってます。
最初の子は。
玄武寺一族から、霧雨です。
※あてんしょん
小説系の書き物が御座います。
免疫等をお持ちで無いお方は読まない方が
良いかもしれない程度には駄文です、ご了承下さい(平伏。
母屋から少し離れた其の場所は歴代の当主達
が使ってきた、基を正せば初代の自室。
良く手入れされた畳みはつい最近、取り替えられたかが
如しにイグサの香を部屋に入る者へと伝えた。
外は遠の昔に日が落ちて。
討伐から帰還した、短い休みの日々。
しかし、今回はそれが一月丸々と。
何故なら、明日から始まるのだから。
当主たる霧雨と相手の神との神聖なる儀式が。
(日時無記入)
俺がこの家へと来た時。
親父二人の表情を覚えている。
凄く背が高くて体格も有る伯父。
その人からすれば肩の辺りに頭の天辺が来る俺の親父。
二人は双子だったと聴いた。
天真爛漫そうな伯父は太陽みたいな笑顔で俺を
迎えてくれた。
何処か冷めた印象を受けた親父も僅かに笑っていた様に
俺には移った、この俺が言うのも何だが親父はとても
不器用な人で、一言で言うなら素直とは縁遠い人だった。
にも、関わらず。
交神の相手に関しては、誰になんと言われようが俺の母上
から変えようとはしなかったらしいから。
一途な想い、なのかもね。
当時、生きていた義姉はそう微笑んだ。
しかし、それも実際は。
何処まであの人が認識していたのかは解らない。
何時も、遠い目をしてどこかを眺めている。
ただ、俺に興味が無かった訳じゃない。
親父も、もう一人の親父だった伯父も俺の事をとても大切に
育ててくれたのだから。
幼い頃の記憶が昨日の様だと想う。
実際、1年経ったか経たないかの記憶。
討伐の日々の中、多忙に過す内に物凄く遠い日の思い出に
成っていたけれど。
祭が在れば家族総出で見に行って。
何かが有るたびに構い倒されて。
そんな日々。
きっかけは夢だった。
神々の血が入ったからなのか。
俺の親父の見たそれには一人の女神が居たという。
天界での力差や格の違いというのは絶対的な代物。
この物質世界かつ、事象が絶え間なく変化していく
人間界の様に努力で何かを服すと言うのが
大変に困難、寧ろ出来ない不変の失楽園。
其処に居て、神格を上とする姉に劣等感を抱いて
いた【下諏訪竜実】という女神、それが俺の母上となる
人だったと。
『ただ、気が合ったんだ。
漠然とした何か。
そんな不完全な代物だったけれど十分だったよ』
その、数ヵ月後に俺は生を受けた。
言い換えるのなら何となく気が合って、何となく一万点
を越える神格を持つ母上と交神をした。
我が親父の事ながら破天荒だと、想うよ。
けれど、それで悔いが無いっていうのなら。
俺は嬉しい。
だから、その事はそれでいい。
・
・
・
そして、俺が生まれた時。
玄武寺は、その家が始まって以来一番激動の時代へと
突入していた。
俺が生まれたのは母が解放されて間もない頃。
即ち、大江山の直後と言うことに成る。
この話は親父から俺は聴き、親父はその前に一族だった
人から聞いたらしい。
黄川人の事は初代の頃から語られている。
我等の初代は聡いのを通り越した人だったらしい。
全てを知って尚、この地へ舞い降りた。
多分、数少ないだろう立場の人。
だから、例え大江山を越えたとて。
俺達に何か悪しき変化が有った訳ではない。
ただ、遠い未来を見据える様に成っただけ。
そして、あれから五ヶ月程が立って其の間。
鬼はアイツが解放されて勢力を増したが、それは初代
が用意していた舞台へ俺達が上る事で事なきを経た。
苦労もしたが、詳細は此処へ記すのをやめておく。
明らかに終わらないだろうから。
そう、此処からが本題。
前の月の討伐を終えた日、夢を見た。
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朝のまだ霧の濃い頃、小川のせせらぎに顔を覗かせる醜女。
その首にかかるのは朱の首輪。
それはもう、取れかかっていたから。
首から取り外してみた。
現れたのは、相翼院でついこの間開放した女神。
【五月川山女】様だった。
彼女が微笑んで、何か言葉を口にした気がした。
瞬間、目が覚めて――
耳の奥に残っていたのは。
『体力の有る元気な子を授けるなら任せて、それしか
取柄が無いけれど、貴方達は助けてくれた。
もし良かったら、私を降ろして下さい。
私、何時も応援してるから! 貴方達を!』
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よくも此処まではっきり耳に残ったもんだよな。
しかも、何か見透かされた気がする。
こんな事を言う拳法家も如何かと想うけど。
俺は如何も祖父の【十六夜伏丸】様の体水が
劣性遺伝を起してしまったらしく。
………その、体力が、可也、無い。
俺のトコの拳法家が術士をメインとする立場を築いて
居なければ、如何なっていたとかは、余り考えたく無い位に。
『せめてものお礼』って言葉も耳に残っているから余計。
何で解ったんだろう、起きて直ぐ首を捻ってみた
ものの、答えが出る訳でも無し。
…体格が無いからか?
どっちにしても、気がついてみれば俺も1才3ヶ月。
そろそろ、子どもは居るんだよな……。
この家系の奴は俺一人だし、子どもの相手するのも好きだし。
親父の夢の事も有る。
相手は取り合えず、体水保障されればとか想って居た所も
合致しているんだし。
何か凄く、理由が斜め四十五度なのも解る…が。
頼んでみようか、確か遺伝子は水の塊。
優性遺伝すれば、多分……。
交神研究してる本家の兄貴はすごい
顔するのが解ってるけれど、うん。
他の一族との折り合いだって悪く無い筈だ。
奉納点的にも、多分な。
その後、悶々と考える事丸一日。
本家の奴等に伝えたら案の定、物凄い顔をされた。
『や、山女様ーーー!!?体水ならもっと安定した遺伝子…
――何、夢……お前もかよ...』
がっくりと板間の床に崩れた、本家の兄(あに)ぃ。
親が親なら子も子だって、一族全員に大笑いされた。
結局は了解も取れたんだし、問題は無いだろう。
月と日取りは、俺とあの女神の力が尤も共鳴を高くする
その時、それまで延々と仮想交神を繰り返して力と精神の
波長が交わる瞬間を待つらしい。
何故か交神の研究をする奴が本家から可也の確率で出る。
既に薙刀士と兼業状態。
どっちが本業か解ったもんじゃねえし…。
(苦笑が漏れる)
んで、それが如何も明日からっていうんで。
日が昇る頃には俺はイツ花の神楽に乗って、天界の夫々。
神々のテリトリーへと赴く事に成るらしい。
これが、霧雨の息子。
朝霧が生まれるまでの顛末。
親が親なら子も子。
この頃は、霧雨もまさか子どもが自分の素質を
越えるなんて夢にも想ってなかったと思います。
ええ、越えたんです。
序に親子揃って昇天もかましましたとも。
因みに、霧雨が心配していた体力はすげー伸び方
してくれて万事上手く言った感じです。
唯一誤算を言うなら、朝霧があんまりにも強すぎて
その後、暫く……基は待機用だったこの家系が
スタメンに成った挙句、氏神ラッシュを引き起こした
事でしょうね(大爆笑。
ぇー、此処まで読んで下さった御奇特な御仁さま。
本当に有難う御座いました&駄文で申し訳
御座いませんでした(土下座。
つーか、山女様の理由がこじつけ
すぎて死んだ…ぶっちゃけ、ねーよorz
でも、良い案が出てこない体たらくなので、このまま逝きます(滅。
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